【マンガ】あーとかうーとかしか言えない ★★★★☆
話すの苦手。言うこと聞かない。でも天才！
漫画雑誌で編集者をしているタナカカツミは、持ち込みにきた少女・戸田セーコの担当につく。
あまり言葉を発さない戸田とのコミュニケーションに苦しむタナカだったが、戸田の漫画の才能に多くの人が惹き込まれていく！！！1人の天才が漫画業界に殴り込む！！！
ここが漫画の現場最前線！！！！★連載時から大量の加筆修正！
★カバー裏にはここでしか読めない書き下ろし漫画を収録！
★単行本カバーには、戸田セーコの著者コメントが！！
1話しか読まず他の作品のほうがいいと、それくらいなら他の作品を読めと言う人の気がしれない。
すべての漫画が第1話から面白いものではない。また面白い、面白くないは個人の判断でいいと思うが、「○○のほうが面白い」など比べて断定するのはどうかと思う。
確かに画力は低く、この作家より上手な人はいくらでもいるだろう。でもマンガって画力だけじゃないからいいんじゃないですか。
じゃあこのマンガのいいところ、それは「創作」だと思うんです。
言葉が出るのが遅くあーとかうーとか言えない漫画家と、そのマンガをできるだけいいものにしようと奮闘する編集者。確かにエロ漫画を書いているわけではあるけど、そこに貴賤はない。自分の中にあるものをさらけ出して形にする作業って、恥ずかしくもあり、心の欲求なんだと思う。
僕自身は創作する人間ではないので、生みの苦労ってのはよくわかりません。
でも読むのは好きで、それを書いてくれる小説家や漫画家に感謝している。
普段読み捨てるように読んでいるマンガの、その裏にある「創作」というものにもっと気を配るべきだと思った。
確かに主人公は一種の天才なんだろうけど、作者は天才を書こうとしているわけじゃないと思う。書こうとしているのは、マンガを書くことでしか自分を表現できない「マンガ家」という人種なんだと思う。小説家でも画家でもいいけど。
展開とかラストとか、不満な部分がないわけじゃない。さっきも書いたように画力は低いと思う。でも「マンガ家」という創作者はちゃんと表現できていると思う。あーとかうーとかしか言えない人がマンガという世界では自分の内面を饒舌に語る。素晴らしいじゃないですか。
評価があまりにも低いのは「エロ漫画」という題材と、その画力の落差が原因かなと思うわけですが、そこはとりあえず目をつぶって「創作」する人間ってどんなんだろ、って読んでみればとてもよい作品だと思います。
全4巻と読みやすい量なのでとりあえず1巻を読んでみて、気になったら全巻買ってもいいと思います。
絵は確かにじょうずではない、うん
