kohidekazu's blog 買ってみた。使ってみた。読んでみた。

自分が40代になったことが信じられない40代のために!

BE BLUES!~青になれ~(43) 中長期が苦手? ★★☆☆☆


 

 

 

この43巻単独でいえば、★★★☆☆くらいは面白いと思う。

でも中学で復帰第1戦を100点とすれば、高校2年生以降は50点くらいしかないのではないだろうか。
なんだか、連載前に決めておいたストックが底をつき、その場その場でストーリーを作っているように感じる。
担当編集者が変わったのだろうか。

別の巻のレビューにも書いたのだけど、一つの課題をクリアしたあと、次戦以降にその成果がほとんど見えない。藤原 乃亜を動けなくさせたあのカットインをなぜ使わないのか不思議で仕方ない。

また、久世 立彦の存在も不満が残る。小学生時代のチームメイトではあったが、その後たまにしか出てこなかった。レッズのユースにいたこと、巧美のライバルであったことは知っているが、それほど重要なキャラクタでもなかった。それがいきなり小学生時代の龍を彷彿させるキャラになっていたりして驚く。

立彦については小中学生時代にもっと掘り下げておくべきだったと思う。事故でけがを負う前の龍を追いかけてたことで、「けがをしなかった龍」としてキャラづけしておくべきだった。あの日の龍を追いかけるエピソードの一つ二つ入れておくだけでもだいぶ違ったと思う。

そして龍はけがをしてしまったことで小学生時代の才能のいくつかを失ってしまったけれど、代わりにパスやチームメイトと連携することを覚え、失ったものをなげくのではなくへこたれずに前へ進む龍が描けたと思う。

けがをする前の龍としての立彦、けがをしたけど別の何かを掴んだ龍との対比をもっとメインとして扱って欲しかった。

長期的なことでいえば、龍のけがの影響が少なすぎたのではないだろうか。あの事故で龍が何を失ったのかよくわからない。キック力?精度?ボールタッチ?けがの影響で悩んだのは中学での復帰後数戦だけだったはず。高校入学以降は階段を下りられないくらいしかハンデを感じない。いきなり小学生時代の感覚を取り戻そうとしているが、高校生以降いままでそんな描写があっただろうか。降ってわいた欠点にしか見えない。これもたびたび悩んでいたのならわかるが、いきなりそんなこと言われてもねえって感じである。

厳しいことを言わせてもらうと高校1年の夏合宿までしか読んでいない人が、この43巻を読んでもなんの問題もないと思う。新キャラが増えただけで何も進展していないし、成長もしていない。

高評価が多いので自分のように感じている人は少ないのかもとは思うが、今改めて1巻から読み返すとよくわかる。最近のBe Bluesは以前ほど面白くない。
いきなり出てきた欠点とその欠点のリカバーの繰り返し。穴を掘って埋めているよう。もちろんその過程が面白くないとは言わないが、高校入学までのちゃんとねられたプロットと比較すると不満が残る。

もう一度最終巻までのストーリーを練って欲しい。そしてそのための伏線をひいて欲しい。場当たりじゃなくてもっと長期的に進めて欲しい。

この43巻まで付き合ったのだから最後まで付き合うつもりだけど、最近のその場しのぎのストーリー展開に非常にがっかりしている。