【書評】おまえさん 宮部みゆき ★★★☆☆ いまひとつ。話がダラダラと続いた感
基本的に、宮部みゆきは20年ほど前から読んでいるし、未だに好きな作家のひとりですが、コレは残念ながらいまひとつ。
「ぼんくら」、「日暮らし」と読んできた人にはオススメ・・・と言うより、読んでいない人にはおすすめしない。
お馴染みのメンバーに、今回から参加したのはブ男同心の信之輔に、弓之助の兄など。
宮部みゆき作品といえば、最初は全然バラバラの出来事に思えていたものが次第に関連し、最後はすべての物事がキレイに収斂するところに魅力だと思うのですが、この「おまえさん」では関係のない出来事が関係のないままだったりするので、何というか、ムダに思えてしまう。
それぞれのお話しはね、おもしろいんですよ。でも必要があるの?と思ってしまう。
ネタバレになるので詳しくは言いませんが、メインのストーリーだけだったらこの1/4でよかったんじゃないでしょうか。
無理やり書きたい話を挿入しているようで、正直最後まで読むのが辛かった。それでも最後にはこの個々のお話が関連するんだよね?もしくはどんでん返しが待っているんだよね?などと期待をしていたのですが・・。
あと弓之助上げもほどほどにしたがいいんじゃないのかねえ。もう飽きちゃった、べた褒めされている弓之助。ついでにその兄も褒められてますがまあ正直どうでもいい。
痒み止めの新薬「王疹膏(おうしんこう)」を売り出していた瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。本所深川の同心・平四郎は、将来を嘱望される同心の信之輔と調べに乗り出す。検分にやってきた八丁堀の変わり者“ご隠居”源右衛門はその斬り口が少し前に見つかった身元不明の亡骸と同じだと断言する。両者に通じる因縁とは。
救えるはずだと思った。
父親が殺され、瓶屋を仕切ることになった一人娘の史乃。気丈に振る舞う彼女を信之輔は気にかけていた。一方、新兵衛の奉公先だった生薬(きぐすり)問屋の当主から明かされた二十年前の因縁と隠された罪。正は負に通じ、負はころりと正に変わる。平四郎の甥っ子・弓之助は絡まった人間関係を解きほぐすことができるのか