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自分が40代になったことが信じられない40代のために!

司馬遼太郎「世に棲む日々」1読了


世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)

世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)


幕末を書いた小説は多くあるが、そのほとんどは「吉田松陰後」から始まる。松陰が育てた志士たちが幕末を作っていくのだが、その松蔭についてはちゃんと書かれたものが少ないように思う。

この「世に棲む日々」ではその松蔭の家族環境から始まる。第1巻はロシア船に密航しそこない、アメリカ船に密航しようかと計画を立てるところまで。

今年の大河ドラマ「花燃ゆ」で伊勢谷友介が松蔭を演じているが、この世に棲むを参考にしているのであろうと思われるくらいイメージが一致している。思慮深くはない、軽信の癖がある、ガンコ、純粋、楽観的、そんなイメージだ。
激情家、といった描写はない。むしろ婦人のようだといわれ「そうあろうと思っている」と応えるような穏やかな人物である。

第2巻では松下村塾で子弟を集め、そして維新の志士たちを育てることになるのだろうが、なかなかに想像がつかない。

あと佐久間象山が出てくるが、こちらイメージとしては「八重の桜」の奥田瑛二演じる象山がイメージだった。