【ミステリー】QED 百人一首の呪 ★★★☆☆ 高田崇史 キャラが弱い京極堂
百人一首カルタのコレクターとして有名な、会社社長・真榊大陸が自宅で惨殺された。一枚の札を握りしめて……。関係者は皆アリバイがあり、事件は一見、不可能犯罪かと思われた。だが、博覧強記の薬剤師・桑原崇が百人一首に仕掛けられた謎を解いたとき、戦慄の真相が明らかに!?
数年ぶりに再読
初読の時は電子書籍でなく実本だったけど、百人一首って小説向いてないよね
最終的に百人一首を並べる必要があるんだけども、この小説っていうサイズでは狭すぎて全体像の把握が難しい
もともと百人一首自体の知識が浅いため、最後の方はすっ飛ばしてしまったが、なかなかこの並べ方には興味を覚えた。あってるかどうかは知らんけど★プラス1
推理小説としての出来は★★☆☆☆かな。物語の8割以上は百人一首の話であり、殺人事件にかかるのは1~2割
しかも事件解明の直前になってそれまでの警察が調べた情報、つまり読者の推理のための基本情報を台無しにするある登場人物の情報がでてくる。
まあ殺人事件はどうでもよいのでそこまで腹は立たないものの、もうちょっとこの情報を匂わせるくらいのことはしてもよかったかと思う
また、探偵役であるタタルがどうにも京極堂。
しかも残念なことに、京極堂より人物が弱い
タタルくんはただの変人かなあ、いや変人ってほどでもないかも
京極堂が披露する「呪」や「民俗学」に対する知識が遠いところに思いつつ、最終的に事件解決につながっていくのに比べ、百人一首と事件の関連性が薄いのも残念
安倍晴明もちょっと唐突感、いや最初から五芒星は気づいてたけどさ
いっそ殺人事件なくてもよかったんじゃ
歴史的な知識等は、井沢元彦の「逆説の日本史」シリーズを思わせる。
六歌仙についても再読中