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自分が40代になったことが信じられない40代のために!

【書評】ST 警視庁科学特捜班 エピソード1★★★☆☆ 登場人物の表現が直接的すぎ


 

内容紹介

能力抜群の5人のスペシャリストの見事な捜査、ここに始まる! ST初登場編新装版。多様化する現代犯罪に対応するため新設された警視庁科学特捜班、略称ST。繰り返される猟奇殺人、捜査陣は典型的な淫楽殺人と断定したが、STの青山は1人これに異を唱える。プロファイリングで浮かび上がった犯人像の矛盾、追い詰められた犯罪者の取った行動とは。痛快無比エンタテインメントの真骨頂!

 昨年(H25)に岡田将生藤原竜也でドラマ化されてましたね。

この作家の「隠蔽捜査シリーズ」が大好きなんですが、他のシリーズは読んだことがなかったので、今回初購入。

 

エンタテインメントの真骨頂!ほどではないな、まだ。

 

今野敏 - Wikipedia

デビュー年がよくわからないけど1982年には本が出てる。STの初出が1999年、2006年に吉川英治文学新人賞なんですね、

最初はSFあり、拳法ありなのか。

 

正直に言って、この2000年前後はまだ上手ではないと思います。

 

赤城左門と言うまあ主役クラスの人物がいるんですが、

 

「一匹狼を気取るが実はリーダー気質で、本人の主張に反して人を惹きつける天性の才能を持ちいつの間にか周りに人があつまる。」

 

とかをそのまま書いちゃってます。

こういうのはwikiの人物紹介に載っているならともかく、小説にそのまま書くものじゃない。その行動・言動を通じて表現すべきだと思うんですが、その行動・言動なしでいきなり「リーダー気質」とか書いてるから、読者が納得できてない。

中学校の時の友達が書いてた小説とかマンガによくありましたね。なぜかわからないけど友達から超尊敬されてたりとかモテモテだったりとか

 

ただそれ以外の部分に関しては面白かった。

まあちょっと絶世の美少年とか無精髭で色気があったりとか、ちょっと中二的な人物造形ではあるが、文章自体は読みやすく読んでいて混乱することもない。ミステリーというよりは、登場人物たちがいかにして犯人を捕まえるかが主題で、それぞれに活躍する場面もあり、エンタテインメントと言われればそう。

 

今はシリーズ3作目の「黒いモスクワ」を読んでいるが、良くなっていると思う。

 

今野敏はこの時期はまだもう一つだな-と思うが、現在はとてもおもしろい作家になっていて、シリーズ物の最初はちょっと付き合っておこうと思います。